076875 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

1979年8月 ロンドンにやってきた11

さて、ラワルピンディを出た後は機内で眠りこけてしまい、次に気がついたとき飛行機はロンドン上空に差し掛かっていたのだと思う、といってもその時の窓の外は雲だらけで何も見えない。
飛行機はさらに高度を下げ続け、雲の下に出た。
その時の最初の印象は「緑一色!」である。
どこを見ても芝生のような一面緑で、その間に舗装された道路が走っている。
飛行機はまた雲の中に入る。
機体はがたがたと揺れるが、こんなもんだろうと勝手に想像していたので、あまり気にはならなかった。
しばらくして飛行機は、また雲の下に出た。
今度こそ私の目の前には、堂々とした石作りの建物が密集している大きな町が見えた。
その町の中心には大きな川がゆったりと蛇行している。
私はテームズだ!ロンドンだ!と心の中で興奮した。
やがて、飛行機はゆっくりとロンドンの上空を飛んだ後に、HEATHROW空港に着陸した。

冒頭で「ようやくHEATHROWにたどり着いた。」と書いた「ようやく」を少し説明し始めただけなのに、あの時の旅に付随した出来事をいろいろと思い出してしまい、尾ひれがついてとんだ道草になってしまった。

今でもあの時のことを思い返すと、あんな小さな飛行機でよく成田からパキスタンまで飛べたものだと感心する。
当時の私は、飛行機での経験が初めてということや、見るもの全てがめずらしいこともあり、何よりもいろいろな出来事の不都合な部分を、若さのエネルギーで消化してしまったような気がする。
その後、徐々に旅慣れた私は、絶対に南見回りの飛行機を使うことはなかった。
頼まれてもお断りである。

当時、まだ北回りでも成田-ロンドン間は16-17時間もかかったが、それでも南回りの36時間に比べればちょろいもんである。
それ以外に、北回りのアエロフロートで成田からロンドンまでやはり36時間かかって到着した経験もあるが、それはまた別の機会に余裕ができたら書いてみたい。






© Rakuten Group, Inc.